■【ベンチャーエコシステム造りはまちづくり】
ー「大阪スタートアップ・エコシステムコンソーシアム」発足会議(2019年10月31日、大阪府庁で開催)での発言要旨 ー
・ベンチャーエコシステム造りは、まち造り。単なる中小企業の個別支援策ではない。
・変化の激しい時代は、組織横断的なネットワークを造り、そのネットワークに人々に参加してもらうことにより、社会も個人も変化に適応できるようになる。根底においてその合意をお願いしたい。
・街全体を俯瞰し、縦割り組織を超えた信頼基盤の上で各々の資源を結合させ、回転させていく機能が不可欠。それがハブ機能であり、本コンソーシアムの役割。
・ベンチャーエコシステムの課題は、一組織だけで解決できない。オール大阪の視点からの旗振りが必要。
・コンソーシアムは、知事、市長と密接な組織であって欲しい。少なくとも、商工労働部、経済戦略局という立場を離れ、まちづくり、市民局、観光局、教育局などと機動的に連携する旗振りをお願いしたい。
・イノベーションエコシステム作りとは、まち全体の人と人、組織と組織をつなぐ総力戦。ネットワーク網を形成し、人や資金や情報の交流速度を上げる施策。従来型の個別企業を支援する経済政策ではない。街全体のパイを大きくする政策である。だから、地方自治体が、大企業も支援するのも当然である。
・「なぜ大阪で起業しなければならないのか」への回答を、シティープロモーション的視点で発信を御願いする。
・淀屋常安の精神に立ち返り、「得るよりも前に与える」を実践しよう! それは「街全体のパイを大きくしていると、結果において自分も繁栄する」という考え。エコシステムを造る上において重要な考え。自らの立場を離れ(OFFの精神)、全体最適を目指した気持ちが必要。
・本コンソーシアムが、世界初の先物取引所を発明した「堂島米会所」(大阪)の様に、「未来を先取りする情報や人が、グローバルに集まる都市:大阪」造りに貢献することを切に願う。
■「イノベーションストリームKansai」シンポジウム開催:
「うめきた2期から世界に向けて ~大阪・関西をひとつに~」「シンポジウム③」
「うめきた2期」とは、グランフロントに隣接した更地(17ha)の開発計画のこと。今年、8月に開発事業者も決まった。主催は、推進協議会。同地区を関西発展の起爆剤にするために、昨年度から実施している。本シンポジウム③では、同地区が目指す機能や役割、「ディープテクノロジーの宝庫・関西」でのプロジェクト、市民参画型イノベーションを進める上での視点、世界へ情報発信する方法をグローバルに考える。
◆参考情報:
うめきた2期とは:http://umekita2nd.jp/umekita2.html
推進協議会:http://umekita2nd.jp/conference.html
■「ISPIM 福岡2018」パネリストとして参加
ISPIM (the International Society for Professional Innovation Management )福岡(12月2日−5日開催)のパネラーとして登壇機会を頂きました。「HackOsaka運動(コ・クリエーションシティー 大阪)」を語ります。こうした機会を仲介して下さった阪急阪神不動産(株)様に感謝致します。「うめきた2期」(開発事業者:阪急阪神不動産(株)他)を念頭に、関西のイノベーション分野におけるグローバルネットワーク造りに向けてお手伝いをしたいと思っています。
ISPIM は、研究、 産業、コンサル、自治体などのメンバーで構成され、イノベーションマネジメントについて情報共有をする会議。1983年にノルウェーで初めて開催され、現在、世界70ヶ国から会員が参加。欧州最大、最古、最も活発に活動を行っているイノベーションネットワーク。現在、アメリカ大陸、アジアパシフィック地域にも活動を拡大中です。
■関西経済同友会:「関西ベンチャーフレンドリー企業」宣言
関西経済同友会(代表幹事:黒田コクヨ会長、池田りそな銀行副会長)は、2018年8月6日、「関西ベンチャー企業フレンドリー」宣言を発表し、ベンチャーとのオープンイノベーションを推進して行くことを約束した。これは、2017年の蔭山代表幹事(当時:三井住友銀行副会長)、鈴木 代表幹事(丸一鋼管会長)が、ベンチャー企業との交流会「関西ブリッジフォーラム」(大阪イノベーションハブ)を実施(写真)し、その後、2018年4月に関西経済同友会が、関西版ベンチャーエコシステム委員会 を組織化(委員長 深野弘行 常任幹事・伊藤忠商事 常務理事 )したことから始る。組織による公約は、関西のエコシステムにとって強力な推進力となる。またHHJのミッションの一つである、「世代間連携」にとっても大きな前進となった。
≪宣 言≫我々は、関西が独創的で世界に開かれたイノベーションの先進地となることを目指す。そのために、関西でベンチャーエコシステムが立ち上がりつつある今、我々が古くから培ってきたユニークな発想や「やってみなはれ」の文化に代表されるダイナミックな企業文化を継承し、新しいビジネスの立ち上げに奮闘する次代の経営者に寄り添い、支援する、ベンチャーフレンドリーな企業であることをここに宣言する。
2018/9/11現在、宣言に賛同したのは下記の33社で現在も募集中。詳しくは関西経済同友会HP。
【賛同企業】アートコーポレーション株式会社、朝日放送グループホールディングス株式会社、ダイキン工業株式会社、大和ハウス工業株式会社、福西歯科口腔外科 歯科インプラントセンター 、株式会社グローバルサイバーグループ、株式会社博報堂、阪急阪神不動産株式会社、株式会社健康都市デザイン研究所、平川商事株式会社、伊藤忠商事株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、株式会社JR西日本イノベーションズ、川村・藤岡綜合法律事務所、川崎重工業株式会社、近鉄グループホールディングス株式会社、コクヨ株式会社、丸一鋼管株式会社、株式会社みずほ銀行、中西金属工業株式会社、南海電気鉄道株式会社、株式会社南都銀行、西日本電信電話株式会社、株式会社NTTデータ関西、大阪ガス株式会社、ピーチコーポレーション株式会社、株式会社りそな銀行、ソプラ株式会社、住友商事株式会社、株式会社三井住友銀行、関西電力株式会社、株式会社池田泉州銀行、TIS株式会社
■大阪市立大学主催セミナー(「イノベーション都市:大阪の新しい挑戦」~次々と誕生するイノベーション拠点と今後の展望〜)でプレゼン
◆日時:2018年7月12日
◆プレゼン内容:「大阪の新しい挑戦」スライドシェアで公開中
◆ポイント:最後のページ(74ページ)。従来の経済施策は、個別企業の付加価値を高める施策(補助金など)であって、私達が大阪イノベーションハブでやったことは、街全体のステイクホルダーに対して「結合する」サービスを提供したこと。この結合サービスは、街の遊休資産の活用効果を持つ。企業で言う「総資産回転率」を上げる施策に他ならない。経済施策で真正面から回転率を目的にしたものは、縦割り行政の中で、しかも中小企業支援のみしか考えない地方自治体の施策としては、非常にユニークであった。(=違和感を組織に与えた施策でもあった。)