Q: 廃プラスチック問題解決に向けた社会活動を行うためにクラウドファンディングに挑戦されておられますが、背景と理由をお聞かせください。 https://readyfor.jp/projects/plastics A: 一番大きな理由は報道・SNS でプラスチックへの誤解が多く、プラスチックが悪者 になっていくのが嫌だったからです。プラスチックに関わってきた経験を活かすことで(プラスチック業界は幅広い知識と経験が必要)、市民の方に正しく理解して欲しい、という思いからです。 この考えを強く思ったのが、昨年行った某食品企業の社員全員へのプラスチックに関する講義でした。彼らはプラスチックを食品包材として沢山使っていますが、社員の大半は技術系ではない。そうした普通の人への講義は非常に良い経験でした。これを切掛けにもっと広く実践したいと思うようになりました。
Q: こうした研究会を研究の外(外部資金を集めて)やらなければならない点もお教えください。 A: 研究絡み(エコプラスチックの開発⇒社会実装)だけなら公的資金や企業との共同研究で対応できます。ただ、エンドユーザーへのエコプラスチックの理解を高める活動は必要ですが、この費用は研究費からは出ません。国の会議(オープン資料)を見ていると視点が「ずれている」気がします。その是正をボトムから行えればと思っています。
Q: 集めた資金の使い道は。 A: 主に市民や関心のある方々(企業・団体)向けの講座や研究会の実施費用です。9 月 7 日に市民公開講座をしますが、その費用も大学が出すわけでありません。軌道に乗れば、企業には年会費を頂戴して、持続的な行動ができればと考えています。高分子技術に関する社会人教育を 10 年行っていますが(母体は阪大工学部同窓会)、持続的な活動における最初の資金確保の大変さを経験しています。そのための費用と考えています。
Q: どのような方々に、メンバーになっていただきたいのですか。 A: プラスチック分野企業、食品・化粧品・雑貨等のエンドユーザー企業、若手起業家、 環境ビジネスや社会問題に関心の高い学生や市民(主婦)など幅広い分野から集まって欲しいです。 私や私の研究室はバリバリの理系ですので、社会活動、環境ビ ジネスに関心のある学生との接点をもったこの社会啓発活動は、研究室ベースの研究活動とは一線を画します。この場を拠点にして、継続的な市民公開講座の開催やフィールドワークなどを行うことを目指します。
Q: また社会啓発と言う点では、ネット開催は必須だと思いますが、研究会がメイン になるのでしょうか? A: コロナ禍のため、ネット利用は必須と考えており、市民公開講座などはネット配信を積極的に利用します。 一方でエコプラスチックについて、密な議論をするためには Face-to-Face が必須であり、見知らぬ人が ZOOM 等で会議しても良いアイデアが出ないことは、この数か月痛感しています。